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静岡AGAクリニック統括院長の佐々木です。

AGA治療を始めたいと思った時に気を付けるべきこと、AGA治療を実際に始めてから気を付けるべきことについて解説していきます。

まず髪について取り組むことの中でも「治療」なのか「ケア」なのかという問題があります。

よく薬局やネットで販売されているような「スカルプシャンプー」や「育毛剤」は「治療」ではなく「ケア」を目的としたものですので、毛髪を生やす目的で使用することは難しいです。分かりやすく言うと、これらの製品は頭皮を健やかな環境にする(?)という目的で使用するものであり、髪の毛を増やしたり、薄毛の進行を止めたりする効果はほとんどないということです。ただ効果がないだけであればまだ良いのですが、「スカルプシャンプー」や「育毛剤」を使用している間にAGAの進行が進んでしまい、クリニックでの治療も難しいという状況になってしまうことも珍しくないです。よって、まだ髪の悩みはないけど早めに「ケア」はしておきたいという方は「ケア」で問題なく、髪の悩みが既にあるという状況であれば「ケア」ではなく「治療」をすることが推奨されます。

早めの治療が推奨される理由としては、髪の毛の生え変わりのサイクル＝ヘアサイクルには寿命があり、またAGAの方だとヘアサイクルが寿命を迎えるのがAGAでない方と比べて非常に早く、治療するタイミングが遅れると治療したいと思っても治療できないという状態になることがあるからです。そのため、AGA治療は早めの治療が推奨されており、また治療が必要な状態なのか確認するためにはクリニックでAGA治療・薄毛治療を専門とする医師に診察・診断してもらうことが重要です。

クリニックで治療したいとなった時に「クリニック選び」をすることになります。AGA治療をするとなると、まずAGAであるという診断をつけてもらえ、また治療経過はしっかりと写真で追っていくことができるというのが最低限必要ですので、これらを行なっているクリニックを受診することが推奨されます。

AGAと診断するためには直接医師が髪の毛を観察する必要があるため、当然ですが自己判断では難しいですし、画面越しでの診断は慣れていてもできませんし、直接対面で診察をしてもしっかりと髪の毛を触って、スコープという機器を使用し拡大した上で観察しなければ診断をつけることは不可能です。昨今ネットで薬を購入したり、非医師による診察もどきが横行したりしており、毛髪医療業界全体としても大きな問題となっております。特にネットで薬を購入した場合、偽薬と言って、「Aという薬です」という名目で販売されているが、「実はAという薬の成分が入っていなかった」「Aという薬の成分は入っていたが、不純物の量が規定を超えて検出された」というケースも見られます。実際、ドブのような場所で偽薬が製造されている画像を、毛髪医療専門医師の集まる学会で提示されているのを私も見たことがあり、非常に不快な気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。AGAの薬は毎日飲む必要があるものですので、しっかりとクリニックを受診した上で薬の処方を受けることが自分の身を守ることに繋がると考えます。

クリニックで治療をすれば最低限の安全性は保たれますが、最大限効果を出して治療内容を適正化するためには、頭髪写真を受診の度に撮影しながら治療経過を追う必要があります。どれだけ記憶力が良くても毎日鏡を見ていると正確な変化は分からなくなりますし、医師側も毎月何百人と診察しているので主観的な記憶・印象に頼っていては正確性は落ちてしまいます。そのため客観的な証拠として写真を撮っておくことで正確な評価に繋がり、適切な治療を行なっていくことが可能になります。クリニックであっても髪の毛の写真を撮ってくれない、医師が髪の毛の状態を見て触って確認してくれないというクリニックもありますので、事前にクリニックでやってもらえることを確認をした上で受診することが望ましいです。

また診療には関係ないことですが、ネット上には「おすすめAGA治療ランキング」のようなランキングが溢れていますが、それらのほとんど全てはただの広告です。つまりランキングサイト運営者に一番お金を払っているクリニックが1位、二番目にお金を払っているクリニックが2位というだけです。また最近ではクリニック自体がサイト運営者であり、自分のクリニックを1位にしている例も多く見ます。広告自体は決して悪いものではないですが、客観的なランキングを装い、良いクリニックであると誤認させることで集患することは褒められたものではないと感じます。AGA業界だけの話ではないですが、クリニックを選ぶ際は安易にランキングサイトを参考にするのではなく、しっかりと公式HPを見た上で判断するようにしてください。

AGA治療をする上で望ましいと思うクリニックを探すことができたら、実際に受診することとなります。AGA治療専門クリニックの多くは事前予約制ですので、HPもしくは電話で予約することが必要です。初回受診当日は、AGAに関する説明や医師の診察、治療プランの検討などで1時間半程度かかることが多いので、ある程度時間の余裕を持って受診するようにしましょう。

初回受診時のカウンセリングや診察は無料としているクリニックが多いので、即決しにくいと思う場合は治療契約はせずに帰り検討することも可能です。治療をする上では「薄毛の進行度」と「患者様自身の治療希望」の両方ともを考慮して決定することが重要なので、しっかりと薄毛の進行度を医師に評価してもらった上で、ご自身の治療希望（例：月額●万円以内で治療したい、最大限発毛を目指せる治療を行いたい、内服薬だけで治療したい、など）を伝えるようにしましょう。ご自身の治療希望の相談に乗ってくれないクリニックは治療開始後のフォローも良くないことが多いので治療契約をせずに帰る方が無難かもしれません。また治療契約をする際に最も注意が必要なのは「途中解約可能か」「解約した際に費用の返金があるか」です。1年の治療プランを契約して、治療開始3ヶ月で諸事情により解約したいとなったのに解約できず、残り9ヶ月分の費用を払わざるを得なかったという方や、解約はできたが未治療分の費用が一部しか返金されなかった方などもいるので、治療プラン契約をする際には事前の確認が必要です。

医師と相談し、治療プランが決定し、治療が開始になった際には、受診頻度をどうするかという検討事項があります。そもそも、髪の毛は1日0.4mm、1ヶ月で1.2cm程度しか伸びず、毎月の変化を見てもあまり分からないことが多いので、基本的には3ヶ月に1回程度の診察フォローで十分なケースがほとんどです。ただ、治療開始後1ヶ月間は副作用リスクがあるため、治療開始後1ヶ月の段階ではクリニック受診することが望ましいと考えます。その後は、3ヶ月に1回のフォローを基本とした上で、効果・副作用が心配な方は毎月受診しても良いですし、効果が安定してきたら数ヶ月に1回と受診間隔を長くしていくことも良いでしょう。このあたりの詳細についてはご自身の担当医に状態を確認してもらいながら決めていくのが良いと考えます。

治療経過を見ていく中で問題となることとしては、「副作用が出てしまった」「治療効果が思ったように出ない」「減薬したいがどのようにすれば良いか」といったことが挙げられます。「副作用が出てしまった」時に大切なのは、原因薬剤は何かということと、原因薬剤は減薬するだけで良いか、それとも中止する必要があるか、代替薬はあるかといった判断ができることです。副作用が出た際に、副作用をなくしながらも効果はしっかり出せるように治療内容を変更していくことが望ましいので、治療選択肢は幅広く持っておくべきです。

「治療効果が思ったように出ない」時に大切なのは、安全な範囲内で費用感も考慮しながら効果を強めるような治療選択肢を選ぶことです。基本的には治療効果を強くすると、多少副作用の頻度は高くなります。薬は毒にもなるものなので安全な範囲内で使用することが望ましく、安全な範囲の見極めは研究データをベースに考えながら、患者様のご年齢、ご持病、治療経過を総合的に見ながら判断します。これに加え、費用感が高くなりすぎないような薬の組み合わせ方も考えなければならないので、担当する医師の知識経験の多さも重要になってくるでしょう。

「減薬したいがどのようにすれば良いか」については、治療経過次第としか言えません。治療経過次第では減薬しても効果が維持できる方もいらっしゃいますし、減薬により明らかに効果も弱くなりそうな方もいらっしゃいます。また減薬により月額が半分になるなら治療効果が今の80%程度になっても良いという患者様もいらっしゃるので、希望次第な部分もややあります。どちらにせよ治療経過を見て減薬可否の判断するには担当する医師の診療経験が豊富でなければならないのは間違い無いでしょう。

「副作用が出てしまった」「治療効果が思ったように出ない」「減薬したいがどのようにすれば良いか」の全てに共通するのは、治療の選択肢が多いことは大切な要素であるということと、医師の知識経験次第で治療満足度に差が出てしまうということです。そのため、受診しようとするクリニックの公式HPを確認していただいた上で、幅広い治療選択肢があるか、クリニックとして治療実績があるか、担当する医師は信頼できるかについては見ておくようにしましょう。治療選択肢についてはHPに分かりやすく記載されているはずなので大丈夫だとは思いますが、クリニックの治療実績と担当医の信頼性について評価するのは難しいと感じる方が多いと思います。私が思う妥当な基準としては、クリニックの治療実績は症例写真の数と質を確認するのが良いと考えます。単純な受診者数ではどのような診療を行なっているかは分からず、またAGA治療以外で受診している人数も含めて治療実績にしているクリニックも散見します。それに比べて症例写真の数は嘘をつくことができず、また症例写真の撮り方でAGA治療との向き合い方が分かります。見やすい症例写真の数が多いクリニックは専門家からしても信頼できるなと感じます。また担当医が信頼できるかについては、HPに担当する医師の名前、顔写真、経歴が載っているかを確認する他ないと考えます。最低限の判断基準にはなってしまうのですが、実際クリニックによっては担当する医師が誰なのかの情報が載っていないことや名前経歴は載っているが顔写真は載っておらず本当は担当していないのではないかといったことも多々あるため、そういったクリニックを除外するという意味で顔写真付きで医師がHPに載っているクリニックの方がまだ良いといった判断です。（本当に経験豊富な医師かは受診して話をしてみない限りは判断が難しいです）

ここまでAGA治療を受けるまでの注意事項とAGA治療を開始してからの注意事項について解説してきましたが、初診の段階でも再診の段階でも、症状に応じた治療プランを立てられるかどうか、患者様自身の希望も尊重した上で治療プランを立てられるかどうかということが最も重要なことだと考えます。良いクリニック、良い担当医と出会いはなかなか得難いものかもしれませんが、満足のいくAGA治療・薄毛治療を受けられる方が一人でも増えることを願っています。当院は静岡県中部にお住まいの方を幅広く診療しており、また静岡県西部にお住まいの方については「浜松AGAクリニック」で診療をしております。どちらのクリニックでも私の診療日がございますので、静岡県にお住まいの方は、是非お気軽にご相談にお越しいただけたらと存じます。（静岡県から遠方にお住まいの方は、お住まいの地域でクリニックを探されるのが良いと考えます）